婚活アドバイザー視点1

半年前に募集したコンサルは、お陰様で1人を除いて全員、真剣交際に入った。

どうしても1人、真剣交際に入れない女性がいる。

真剣交際どころか、
90%以上の確率で、会って2回以内に断られるか、断るかのどちらかになってしまう。

既に何十時間もの時間と労力を彼女に使って来た。

必要を感じて、彼女の男性への対応を確認するために、出張までした。
普段住んでいるところから片道3時間かけて会いに行って、男性の用意までした。
(結果から言うとやって良かった。あまりに悲惨な現状が分かったからだ。)

仲人さんにお見合いに立ち会いしていただくことが決まり、ようやく光が見えて来たところだった。

相変わらず、お相手のことをあまり気に入っていない様子のお見合い報告が送られてきた。

お見合い報告のメッセージだけではよく分からなかったので、直接電話をして聞いてみることにした。

「私は3つ質問を用意して行ったのですが、お相手が話し続けていて1つも質問できませんでした」
「休日に予定を詰める人って理解できないんですよねって言われたんですけど、私も休日は予定を詰めたいタイプなので、価値観が合わなさそうだなって思いました」

結婚相談所でのお見合いでは、プロフィールはあくまで書類選考でしかないので、会ってみて分かることは多い。
ぶっちゃけた話、良い所を探す方が大変な方と、気になる点を探す方が大変な男性がいる。

彼女の話を聞きながら、良いところがあまりない男性だったのかなと思った。

その後、立ち合いをしてくれた仲人さんに状況を聞いたところ、
とても素敵な男性だったということが分かった。

コミュニケーション能力が高く、ほんの数分話しただけの仲人さんも、彼と話が弾んだそうだ。

「強いて言うなら、顔は普通だったので、もしかしたら亜矢子ちゃんは気に入らなかったのかもしれないです…」と仲人さんは言っていた。

学歴も年収も申し分なく、年齢も彼女よりすごく上という訳でもない。
普通の女性は会えないレベルの男性なのだ。

亜矢子ちゃんは大卒ではないし、誰もが振り向くレベルの美貌を持っている訳でもない。
そして、何より崖っぷちミドサーなのだ。

結婚相手候補として会えるだけで奇跡で、感激感動感謝した方が良い男性でさえ、悪者に出来てしまう亜矢子ちゃん、恐るべし…と
改めて凄い女性を受け入れてしまったと私は思い知ったのだった。

(続く)